基金の解散認可申請に必要な要件は次の二つです。
(1)全事業主・全加入員のそれぞれ2/3以上の同意書;
当基金の場合、事業所数・約440社→2/3;295社以上
加入員数・約8,300人→5540人以上、の同意書が必要です。
(2)「年金記録」の整備・突合の仮完了;
そもそも”年金記録”とは何のことでしょうか。
厚生年金制度は加入者(厚生年金保険制度なので被保険者と
呼びます)の加入期間中の給与・賞与の金額と、加入期間によって
将来の年金額が決まりますので、加入期間・給与/賞与額が
国の記録(年金事務所)と基金の記録が一致していなくてはなりません。
一致しているはずです、、、、がしかし、一致していない場合があります。
ひどいケースでは、名前(姓、名)が違う、読み(フリガナ)が違う、
性別が違う、、、ということまであります。これは、以前に国民年金で
問題になった”消えた年金問題”と同じ構図で、要すれば年金事務所や
基金事務局の昔の作業がいい加減だった(特に、手書きで管理して
いた時代含めて)ことに起因します。
そこで、基金解散(国に代行資産を返還すると同時に、年金記録も
返還します)に際して、基金の加入員・受給者・待期者の過去の記録を
国(日本年金機構、年金連合会)と突き合わせて、一致させる作業が
年金記録の突合・整理、です。
一般的にはこの記録突合には2年近くかかりますが、当基金の場合は
すでに最終段階に差し掛かっています。
解散説明会での資料、または「ききんニュース」2016.5.15 No.60 を
見てください。今後の予定として、次のように記載されています。
・平成28年6月~11月 信託銀行にて事前突合データ作成、企業年金連合会にて最低責任準備金不突合分検証、基金にて記録整理、信託銀行にて不突合分データ再作成・検証、企業年金連合会にて最低責任準備金不突合分検証・仮確定、代議員会にて解散決議、認可申請
これを分かりやすく、手順ごとに並べてみますと次のようになります。
①信託銀行にて事前突合データ作成
②企業年金連合会にて最低責任準備金不突合分検証
③基金にて記録整理
④信託銀行にて不突合分データ再作成・検証、
⑤企業年金連合会にて最低責任準備金不突合分検証・仮確定、
⑥代議員会にて解散決議、認可申請
上で説明した「年金記録の突合・整理」の作業は、すでに当基金ではほぼ完了しています。
①のデータ作成とは、突合整理が終わった記録をもとに、国に返す金額の計算用データを
修正・作成することで、信託銀行の方でデータ処理するだけです。1週間もかかりません。
②のステップは、信託銀行で作成したデータを連合会に送って、連合会の方でも修正・作成の内容は間違いないか検証する処理です。これもデータ処理なので(手作業ではありません)時間はかかりません。
③のステップは、連合会での検証(データ処理)結果を基金に戻して(データで)、もし修正などがあれば基金側で修正する作業です。もとになる「年金記録の突合・整理」が終わっているので、この段階で修正があることは稀です。
そして、④と⑤のステップは今回の法改正によって、不要とされました。
つまり①から③がすんだら、すぐに基金代議員会で解散決議が出来ることになります。
①から③の手順は、厚生労働省が公表しているガイドラインでは、約1ヶ月とされています。
となると、年金記録の整理・突合は平成28年6月~7月で完了できるはずです。
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